石垣島移住の1歩としての宿

3月に入りましたが、今年は本当に暖冬…暖かい日が続いています。
もうすぐ春ですね。
毎年この時期になると、石垣島に移住したいと多くの方が相談にいらっしゃいます。
私のこのおせっかいな気質もあいまって、パキラ滞在中に物件探しや仕事探しを一緒に手伝ったりアドバイスしたりしています。
2022年は5人パキラから石垣市民になりました。
2020年以降コロナの影響で田舎需要が進み、例年より移住希望が増えている気がします。
私自身も2012年に移住してきました。
今日は、いち移住者として、またパキラで多くの事例を見てきた者として
客観的にみた「移住について」をお話ししたいと思います。

私の移住経験

30歳独身、特に仕事も家も決めず荷物1つで「なんとかなる」精神で石垣島にやってきました。
20代は舞台俳優として劇団にいたのでバイト生活しており、会社の福利厚生や保険の恩恵をもともと受けてない生活だったので経済的不安はなく、
今と同じ…というか「働けば生きていける」くらいの気持ちで、仕事やお金に不安はなく来ました。

12年前、まだ島はそこまでネット社会ではなく不動産もよくわからなかったので、とりあえず街中にあるゲストハウスに住みながら、仕事や土地勘、島事情、そして友達という基盤を作ってから一人暮らしをはじめました。実際に一人暮らしで家を借りたのは4か月後です。
そもそも石垣島に移住を決めたのはその1年前、離島に住みたいと思い場所探しの旅の中で石垣島に来てピンときました。
その時に泊まっていた宿のオーナーやメンバーに恵まれていた事もラッキーでした。
当時このゲストハウスは長期が5~6人くらい居たので、島での生活や友達作りに時間はかかりませんでした。
(このメンバーで残っているのは、私ともう1名のみ(笑))

仕事は、SNSで募集していた居酒屋ですぐに働き始めましたが、本当に適当な店で…(その後すぐ潰れた)
1か月後に転職。人気カフェで働き始めました。
時給が低いので給料は約半分!東京にいた時22万だったのが、石垣では12万くらい。だって時給653円なんだもん…
まぁ、新しい服や交通費がいらないので、それなりに暮らしては行けますが、ただ移住1年目は税金が高くて苦しい…
前年度の所得で税金が来るのでこの給料で払うのはつらかったです。。。(現在は最低賃金もう少しあがっています)
20代ならそこまで気にしないのかもしれないが、30~40代での移住だと生活レベルを下がることは覚悟した方がいいと思います。


最後に人間関係についていうと、島の人とうまくやっていけるかは本人次第ですが、できるだけ島の人とも知り合いになった方がいいと思います。
第一に「石垣島に住まわせてもらっている」精神で、この島の歴史や文化を守ってきた島の人に感謝の気持ちを持つことです。
もちろん島の人でも移住者でも悪い人はいるし、いろんな考えの人がいるので、ひとくくりには言えませんが
私たちが知らない知恵をたくさん知っていて、人情深く、本当に最後に助けてくれるのは島の人だと思います。

石垣島の賃貸事情

家探しは1~2週間くらいあるといいかも。とにかくたくさん見ること!間取りはどれも似たようなものなので、見るに限ります。
土地勘や環境が分からない分、実際に行って周りの雰囲気もみるのが一番です。
ただ現実は移住ブームで賃貸アパートが不足がち、人気のアパートはすぐに借りられてしまいます。
仕事で赴任してくる(病院関係、役所関係、教育関係)方は時間がないので、内観せずにネット契約する方も多く、特に3月下旬は競争です。
そのためにも10日くらい滞在し、たくさん内観して目を養い、たくさん動いて土地勘などを把握する準備期間を設けたほうがいいと思います。


時期的には
・春の3月下旬~4月上旬
・GW
・8月末~9月上旬
この3つが狙い目。それ以外はなかなか物件自体がない可能性もあり。
2DK以上は数が少なく、地元の人にも人気なので根気強く探しましょう。(1軒屋はもっと競争率高く、なかなか出てこない)
不動産屋に行ってもネットに出ているものとほぼ同じだそうです。
ただ、今日出てきた物件などネットに載せる前の情報も時々あるので、やはり足で周るほうがいいかと。

住む場所について…
ほとんどの物件は市街地と呼ばれる(新川~大浜)場所にあり、こちらをお勧めします。白保や川平・北部はなかなか物件がないのと、集落に住むという事は、村での役割や人付き合い、また文化の継承など、「住む」だけではない事柄がたくさんあり、その土地を理解しないと難しい場所だと思います。「自然を求めてただ住む」というのは、どこかポツンと一軒家でない限り、なかなかうまくいかないと思います。田舎になればなるほど、人間関係が大切でなにかしら人との縁がないと難しい土地ですからね。

石垣島の求人事情

仕事は選ばなければ、たくさん求人はあります。
一番多いのは、観光業(ホテル清掃、飲食店、レンタカー)。
次はスキルを活かした仕事(福祉、育児関係)
事務職などは地元婦人にも人気なので倍率は高いですがあります。
地元企業、内地オーナー企業ではカラーが大きく変わるので、どんな生活をしていきたいかを考えるといいでしょう。(どちらも良い面、嫌な面はあります)
ハローワークは親身になって紹介してくれる反面、「何がしたいか?」を自分自身が明確にしないと選びきれないこともあります。
給料は先に話したように、驚くほど安いです。地元の人は共働きが当たり前の事情がよくわかると思います。

もう一つ。終身雇用と思わず、合わなかったら転職しようという気持ちでいていいと思います。
移住した当初は「こんな狭い島で仕事やめたら噂になってもうどこも働けない」と思っていましたが…島の人もけっこう転職多いんですよね!(しかも年齢問わず)顔なじみだった配達員さんが、ある日ガソリンスタンドで働いていて「今月から僕ここにいます」ってケロッとした顔で話してて。
いい意味でも悪い意味でも島だな~と感じました。
退職理由は人間関係とか給料とかがほとんどでしょうが…、転職ばかりするのもよくないですが、辞められない!と思う必要はないと思います。

移住後住み続ける人と帰る人

この違いってなんでしょうね。
私の周りでは最初の2年で半分帰り、5年で2割くらい残ったという感じでしょうか。
①あまり理想や希望のイメージを持ち過ぎないこと!
「沖縄の人は優しくて、寛容、海が綺麗で、都会のギスギスした人間関係もない、離島に遊びにいけるし、時間がゆっくり流れる生活~☆彡」
沖縄の人でも悪い人はいるし、人間関係の問題もあるし、仕事もフルタイムで働けば忙しいくて海を見る余裕も時間もなくなるし‥‥
そんな理想と現実とのギャップが大きかったんでしょうね。

②「郷に行ったら郷に従え」島の人に敬意を持てば、うまくいく!
40代~50代だと今まで培ってきた経験や思考が確立してしまっている分、すり合わせるのに苦労するかもしれません。
島でのルール考え方進め方に疑問を持った時には「文化が違うから、違って当たり前。ここではそうなのね」とまずは認めることが大切。
言葉が通じる外国(琉球王国)ですから!

移住した先輩たちの話

最後に、パキラから移住した方にアンケートを取ってみました。
年齢は30~40代、女性、移住当時は独身。
パキラを選んでくれた人たちなので、似たようなタイプなのかもしれませんが、参考に。

《移住するにあたって1番不安だったこと》
・いつまで石垣にいるか決めてない段階で、賃貸物件を借りるのは不安だけど、
「ゲストハウスの長期利用」「シェアハウス」「レンタカーのマンスリー」で暮らしてみてから、賃貸物件を借りたので不安はなくなった。
・最低限生活出来る収入が得られるか不安。結果何とかなってる。
・この土地の人や水とうまくやっていけるか。

《しくじり先生教えて!失敗談》
・しくじらなかったけど、自分の中でのこの価値観違うかもということを続けていたら、移住生活の歯車が狂っていたと思う。
・先走っていろんなものを買いすぎない。誰かが不要なものをくれたり、島内でぐるぐる回っているので買う前に探してみる。
・台風を甘くみていたつもりはないが、窓下から水が吹き上げてきて、畳がびしょぬれになった。
・石垣の冬1年目はそこまで寒くなかったので、冬物は処分してあまり持っていなかったが、2年目はとても寒く感じ沢山買うことになってしまった。

《成功例!これはやっててよかった》
・正社員にならなかったこと。いくつか仕事を掛け持ちすることで人との繋がりが広がるし、世界も広がる。仕事によっては季節で収入の波があるが、複数やっていれば影響は小さい。
・仕事でも、飲みでも、誘われたものは1回目は断らない!自分に興味を持ってもらってる証拠。
・人に頼る!(借金とかじゃなくてね)自分一人でやり過ぎない!
・あまり聞いたことがない仕事(農業研究)があり、仕事につけたこと。
・パキラに住んでよかった。初めから家を借りてたら友達も出来ずに帰っていたかも。

《移住後長く住んでいける秘訣は》
・当たり前にある美しい自然、環境を忘れないこと。
・星見上げたり、朝陽、夕陽を見たりする余裕を持つこと。
・たまに島を出ること。島での生活はとても居心地がいいけど、たまに内地の刺激が入ると島の良さも更にわかるし、仕事や生活のモチベーションが保てる。
・内地からの移住者、八重山の先住者、両方の友達やお知り合いを増やしていくこと
・地元の人と知り合い、たくさん話を聞いて理解し、馴染めるように努力すること。
・郷は郷に従え、他の地域と比較するのではなく、その土地や人の過ごし方を受入て住むこと。

《今後移住したいと思っている人にアドバイス》
・借り物暮らしでも移住は始めれます!無理なら帰ればいいんだから、まずはやってみることをオススメします!
・島人へのリスペクトを第一に。ないちゃーには測れない常識があるんです!
・これはどこに住んでも、旅行で訪れても必要な事かと思いますが「皆さんの住む所へ私は住まわせていただいている」という敬意を払って生活することが大事!過度に考える必要はないと思いますが、人々、自然に対しての敬意ですね
・楽しんだもの勝ち。「とりあえず行ってみようーなんとかなる!何ともならなかったら帰りますー(笑)」くらいのつもりがいい。
・仕事探しは情報収集をたくさんした方がいい。おすすめできない職場もけっこうある。


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