伝統の味を継承する、発酵飲料「ミシ」

こんにちは、暖かい沖縄にもようやく寒さが訪れはじめました。

今日は、八重山の伝統的な飲み物「ミシ」を作ったお話をしたいと思います。
沖縄の商店などで売っている「ミキ」飲んだことありますか?


白保方言ではミシと言いますが、神事やお祝いの席などで作られる、神様への献上酒です。
材料は地域によって様々で、米のミシが主流ですが芋や粟(あわ)などでも作られます。
発酵飲料でさわやかな酸味があり、カルピスとか飲むヨーグルトに近い味かなと。
昔は口かみ酒のように、噛んで発酵させてたみたお酒でしたが、最近のはアルコールはなく砂糖を入れた発酵飲料で
身体にいいということで、健康志向の方々に人気が高まりつつある飲み物です。

 さてこのミシ、白保では米のミシは現在でも作られていますが、粟のミシを作っているのは親戚のおばぁともう1人だけです。
粟を作る農家さんがいないので、だんだんと作らなくなったそうですが、おばぁは豊年祭のために今でも粟を育てています。
 先日、宮古の来間島でミキを作っている砂川さんがいらしたときに教えてもらったんですが、
八重山で粟のミシが途絶えた時期があり、なんとうちの義理のばぁちゃんが宮古から粟の種を持ち帰り育て、粟のミキを復活させたそうです。
旦那に聞くと、八重山の他の地域からも粟を分けてとばぁちゃんを尋ねに来たそうです。
ひぇ~そんな文献に載るようなすごいことを!またばぁちゃんのあらたな伝説を知れて嬉しいです。
(このばぁちゃん、世界陸上マスターズで優勝した記録もある元気なばぁちゃんで、それはもういろんな伝説があるのだ(笑))

これが粟

先日、その大切なミシの作り方を覚えておきなさいと、おばぁに粟のミシの作り方を教えてもらいにいきました。
作り方はもちろんのこと、たわいのない昔話やミシの話、ばぁちゃんのことをたくさん聞けて本当に楽しい時間でした。
こういった時間が、私を白保の島嫁に育ててくれているんだなぁと思う瞬間です。

ここまで入れなさい~

さぁ、5日くらい寝かせて・・・・できあがったミシ!
味はどうかしら。


粟のミシは、少し黄色い濁りでほのかな甘みと酸味があります。米のミシは、粟のミシよりも少し濃厚で、コクがあります。
普段は7月の豊年祭の時に作るので暑い時期なんですが、今回はやっぱり暑さが足りなかったのか、米のミキは少し発酵が少なかったかな(酸味が足りない)初めて飲む人には逆に飲みやすいかもね。
白保では、ミシが発酵することを「わく」と言います。よくわくと、蓋が飛ぶこともあるそうです。八重山民謡にも「ミキはわいたほうが美味しい」という歌もあるようです。

教えてくれたヨリ子おばぁ

おばぁの味が受け継げたかどうかわかりませんが、来年は1人で作ってみようと思います。
パキラにもミシを置いておきますね。
八重山の伝統的な飲み物「ミシ」は栄養満点な健康飲料で、自然の恵みと人の知恵が詰まった、とても奥深い味わいです。
都会の喧騒を忘れて、自然の中でゆったりと過ごす時間と共に、ぜひ味わってみてください。

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