私にとっての豊年祭──人生が動き出す夏の始まり
私にとっての豊年祭
白保で暮らすようになって12年。
今では地域の一員として日々を過ごしている私ですが、その始まりにあったのが「豊年祭」でした。
静かな白保の集落が一年でいちばん熱く、パワフルになるこのお祭りは、私にとって特別な意味を持つ存在です。

豊年祭との出会い
白保に移住して間もない頃、私はまさに「よそ者」でした。
子どもがいればママ友やPTA、もっと若ければ青年会にも参加できたかもしれない。でも当時の私はどこにも属せず、どうやってこの土地に溶け込んでいけばいいか、手探りの毎日でした。
そんなある日、「今年の豊年祭、参加してみる?」と声をかけてもらったんです。
右も左もわからない私にとって、それは本当に嬉しい誘いでした。

初めての練習、初めての仲間
夕方になると、3班(白保は1~5班に分かれています)の幹事の家に集まり、踊りの練習が始まります。
手の動き、足の運び、…そして、まず方言の歌詞がわからない!……最初はついていくのに必死でしたが、だんだんと顔を覚え、会話が増え、笑い合う時間が生まれました。

踊りの練習が終わったあとは、準備の話し合いと称した小さな宴会。
おしゃべりしながら食べたり飲んだり、そんな時間がいつしか私にとって心地よい日常となっていきました。

豊年祭がくれた“縁”
数年経ち、「3班って本当にいいな」と心から思うようになった頃、豊年祭の宴会の席でぽろっとこんなことを言ったんです。
「3班が好きすぎて、結婚相手も3班で探したい!誰かいい人いませんか?」
笑い話のように始まったその一言が、思わぬご縁を呼びました。
なんと、3班の男性を紹介され、その後お付き合いが始まり、今ではその人が私の旦那さんです。
出会いも、距離が縮まったのも、付き合い始めたのも、全部豊年祭がきっかけ。
私の人生のターニングポイントには、いつもこのお祭りがあるのです。

見るだけでも、何かが動き出すかも
豊年祭に参加しなくても、ただ“見る”だけで心が動く瞬間がきっとあるはずです。
静かな村が、色とりどりの衣装と熱気であふれ、踊りや唄が空に響くその光景は、まるで昔にタイムスリップしたような気持ちになります。
この祭りには、「ただの行事」以上の、何か不思議な力が宿っている気がします。
だから私は毎年、心の中でちょっと願い事をしながら、見守っているのかもしれません。

あなたにも、何かいいことが舞い込むかもしれませんよ。
是非今年の白保豊年祭、見に来ませんか。
(2025年は7月21日が村の豊年祭です)